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岐阜の社会保険労務士事務所、飛騨屋社労士事務所の平下です。
今回は経済産業省のDX認定を取得する為に行った事をまとめたいと思います。
経済産業省が定めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義は次の様になっています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
DX認定制度の概要及び申請のポイントについて
「顧客ニーズを基に、自社内の業務や組織をデジタル技術を利用して差別化しようぜ!」といったイメージでしょうか。
国が定めた方針に基づいて方針であったり今後の取組を確認していただくといった内容です。
今後どういった取組をしていくのかを認定するため、現状がどうなのかという事は気にしなくて良いと考えています。
全ての事業者(法人と個人事業者。法人は会社だけではなく、公益法人等も含みます)が対象となります。
※申請手続きや認定時、認定の維持において費用が発生することはありません。
どのような事業者でも問題なく申請可能です。
なぜならば、開業間もない、しっかりとした売上が立っていない当事務所でも認定をして頂けました。
あまり興味がない方は飛ばしていただければと思いますが、認定を取得しようとした理由は「差別化」が一番の理由です。
スタートアップの事務所としてバックオフィスのDX推進をしている以上、事務所がDXに強いと思っていただけるエビデンスを探している際に認定制度に辿りつきました。
2022年5月時点では社会保険労務士事務所として認定されている事務所が無かった為、全国初認定といった強みも出来ると考え申請を致しました。
認定を受ける事によるメリットは次の項目が挙げられます
この中で大きいのは投資促進税制を受けられる事が大きいのではないでしょうか
全社レベルのDXに向けた計画を主務大臣が認定した上で、DXの実現に必要なクラウド技術を活用したデジタル関連投資に対し、税額控除(5%又は3%)もしくは特別償却30%を措置して頂けます。
ただし、2023年3月31日までに事業適応計画の認定・課税の特例の確認後に取得・製作した対象設備などを使用する必要があります。
詳しい内容はこちらの記事にて詳細に説明して頂けています。
自社としてどこまで出来るかは、ご契約頂いている税理士の先生にご相談頂ければアドバイスが頂けると思います。
■スケジュールイメージ
(※審査スケジュールや内容を保証するものではありません)
■事業適応計画の問い合わせ先
・経済産業省:「DX認定制度の概要及び申請のポイントについて」
・IPA:「DX認定制度 申請要項」
上記2資料を基に作成
■DX認定取得のために必要と想定されるプロセスのイメージ例
・IPA:「DX認定制度 申請要項」
ここまでは制度についての説明を致しました。
ここからは実際に申請までに行った事を紹介いたします。
DX認定ポータルにて申請を行います。
ですのでgBizID(GビズID)が必要になりますのでアカウント登録します。
メンバー、プライムどちらでも申請が出来ますので、申請までに時間が有りるのであればプライムのID取得をおススメ致します。
中小企業と大企業では対応が異なりますが、当事務所は中小企業となりますので中小企業としての対応を紹介致します。
中小企業はSECURITY ACTION制度に基づいて自己宣言(二つ星)を行っていることを確認することで申請が可能です。
二つ星ロゴマークを使用するには中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン付録の「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握したうえで、情報セキュリティ基本方針を定め、外部に公開する事が必要になります。
申請までに使用するフォーマットは3つあります。
自己診断を実施したらDX推進ポータルから提出を行います。
事務局の方からもお話を頂きましたが、申請チェックシートの作成が一番重要となります。
申請チェックシートの各項目を十分に埋める事によって申請書への記載をします。
DX認定基準の所で紹介した戦略策定プロセスを実施する事によって申請チェックシートが作成できますので社内での承認を事前に行っておくことが必要です。
公表を行わなければいけない項目があり、公表する媒体自体は指定はありません。社内の機関承認を得て公表されていることが求められます。
ここまで来たら、申請チェックシートで作成した項目を申請書に記載します。
そして、推進ポータルより実際に申請を行います。
■参考画面
審査期間としては60日として設定されております。
当事務所の実例としては、2022/5/15に申請し、2022/7/中旬に問題なければ8月に認定致しますとの連絡が有りました。
標準的な期間での認定になりました。
ただ、不備や訂正があり再申請を4回行っております。事務局の方は我慢強く丁寧にご対応して頂いたと思っております。
いかがだったでしょうか。大企業だけでなく中小企業、個人事業主でも申請や認定が頂けます。
時間や労力がかかりますが、DX推進をしている企業は取得をしてみてはいかがでしょうか。
この記事を見て一件でも多く、自社内のDX推進、認定の申請が推進されればと思います。
最後までお付き合い有難う御座いました。