労働基準法15条にて契約の締結に際し、条件の明示しなければならないとしており、会社側が契約の際に発行するのが雇用契約書です。
書面での明示が求められている部分も漏れなく記載しなければいけません。そこで今回は作成方法や作成ポイントをまとめました。
契約期間
正社員は原則として、期間の定めの無い雇用契約「無期契約」となるので期間の定め無しと記入します。
ただし、試用期間がある場合は「試用期間:〇年〇月〇日 ~ 〇年〇月〇日」と明記します。
就業場所
採用後配置する具体的な場所を記入します。
転勤がある場合は、就業場所の欄に「業務上の必要に応じて配置転換の可能性あり」と記入しましょう。
業務内容
採用後に従事する業務を記入します。
詳細は必要ではなく「人事業務」「製造業務」等の記載で構いません。
ただし、面接時にはどういった業務かはある程度詳細に伝えておくことをおすすめします。
始業・終業
記載例)8:30~17:30 休憩1時間
といった形で記載します。
変形労働時間制や、フレックスタイム制を採用している場合はその旨も記載します。
所定労働時間を超える労働の有無
残業や、休日出勤の可能性がある場合は明記します。
記載例)所定時間外労働の有無( 有 , 無 )
休憩時間、休日、休暇に関する事項
所定時間内に休憩時間がどれだけあるか明記します。 (例:60分)
休日については特定の曜日や日にちが決まっている場合は記載してください。
記載例)「毎週 水曜・日曜」「年末年始 12月28日~1月5日」等
一年変形労働時間制を採用している場合は年間休日120日とい記載し、カレンダーを渡すといった形でも問題ありません。
有給休暇については次の様な形で記載していただければ問題ありません。
記載例) 年次有給休暇 6か月継続勤務した場合→ 日
継続勤務6か月以内の年次有給休暇 (有・無)
→ か月経過で 日
時間単位年休(有・無)
交替勤務の有無
交替勤務がある場合は記載しましょう。
早番、遅番等がある場合は所定労働時間を漏れなく記載します。
賃金の決定、計算方法及び支払いの方法
基本給や諸手当、残業時間や休日出勤の計算方法などを記載します。
賃金の締切り及び支払いの時期
締め日、支払日を記載します。
記載例)「末締め 翌20日払い」
昇給に関する事項
昇給の時期及び回数を記載します。
記載例)年1回7月 等
会社や個人の成績によって昇給しない可能性がある場合は必ず記載しましょう。
退職に関する事項
次の事を記載します。
- 定年制の有無
- 定年年齢
- 定年後再雇用の有無
- 自己都合退職時の手続きや条件(例:退職する14日前までに書面にて届出る事)
退職の他に、解雇の事由や手続きも記載が必要です。
普通解雇・懲戒解雇の就業規則の条番号を記載する事でも構いません。
まとめ
労働基準法では雇用契約書の作成までは義務付けていませんが、せっかく入社して頂く際に契約書が無いと会社からの一方的な通知と感じる方もいらっしゃるかも知れません。
契約書を作成し双方合意したという書面を残すことを提案致します。
会社ごとに条件は異なりますので作成に悩んだ際は、ぜひ飛騨屋社労士事務所にご連絡下さい。
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