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岐阜県の社会保険労務士事務所の飛騨屋社労士事務所です。
従業員の労働条件や労働環境を管理する事を「労務管理」といいます。
労務管理は労働に関する管理の他、ハラスメントや健康の管理も行います。従業員が安心して労働できる職場づくりや、新入社員、中途採用者が安心して入社できるような会社にするための管理と言えるので、内容をご紹介していきます。
まず最初に、間違いやすい三つの違いを紹介致します。
ここについては雰囲気をつかんで頂ければ十分と考えます。
労務管理での整備していく項目を箇条書きすると次のようにまとめれます。
それぞれの項目を説明していきます。
会社と従業員の雇用関係は雇用契約を結ぶ事によって始まります。
そして、雇用契約を結ぶにあたっては次の事を書面(従業員の同意があればメールでも可)で明示しなければなりません。
そして労働契約には盛り込んではいけない条件もあります。
①国籍、信条又は社会的身分を理由として労働条件を差別的取扱いをすること
② 女性であることを理由として、賃金について差別的取扱いをすること
③ 労働契約に反した場合に、違約金を支払わせることやその額をあらかじめ決めておくこと
④ 労働することを条件として労働者に前貸しし、毎月の給料から天引きする形で返済させること
⑤ 強制的に会社にお金を積み立てさせること
職場において労働条件や、守られるべき規律等を定めたものが就業規則です。
常時10名以上雇用する事になった場合に必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。
就業規則には、必ず記載いなければいけない事項等がありますのでご紹介致します。
■絶対的必要記載事項
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇 並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の 締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
■相対的必要記載事項
① 退職手当に関する事項
② 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
③ 食費、作業用品などの負担に関する事項
④ 安全衛生に関する事項
⑤ 職業訓練に関する事項
⑥ 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑦ 表彰、制裁に関する事項
⑧ その他全労働者に適用される事項
■任意的記載事項
① 服務規律
② 採用
③ 人事異動
④ 休職
⑤ 競合禁止
⑥ その他の取り扱いに関する事項
従業員が安心して働けるように、病気やけがをした時のために給付を受けられるように加入する制度があります。
詳細については別記事がありますのでご確認下さい。
賃金とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対価として使用者が労働者に支払うものすべてのもの」をいいます。
労基法11条
賃金を決定するには、会社と従業員が対等の立場で決定しなければなりません。
そして、次の事を守らなければなりません。
支払いについても原則があります。
始業から終業までの、休憩時間を除いた時間をいいます。
命令下にある事が労働時間の要件であり、作業をしていなくても手待ち時間の場合は賃金の支払いをしなければいけません。
そしてよく聞く「一日8時間 一週40時間以内」が法律で定められた労働時間になります。
法定労働時間を超えて勤務してもらうためには、36協定を結び労働基準監督署に届け出なければなりません。
休憩時間については、一日6時間を超えて労働する場合には45分、8時間を超えて勤務する場合は60分の休憩を勤務時間の途中で与えなければなりません。
休日は労働を免除されている日です。なので、休日にLINEで業務指示する様な場合は手待ち時間とみなされる場合も有ろうかと存じます。
年次有給休暇は入社から一定期間を経過した場合に次の表の様に付与します。
労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と衛生を確保し、快適な職場環
境の形成を促進することを目的としています。
この法律では、労働災害や健康障害を防ぐために、
①国が労働災害防止計画を立て、
②事業者は、
(ⅰ)自主的に労働災害を防止するために安全衛生管理体制を整え、
(ⅱ)危険な機械や有害物には防護措置を講じ、
(ⅲ)必要な教育・講習を実施し、
(ⅳ)作業環境の改善や健康診断の実施を通じて健康の保持・増進に努め、
(ⅴ)作業環境の管理、作業方法の改善、施設・設備の設置・整備等を通じて快
適な職場を形成すべきことなどが定められています。
労働者からの申し出によって契約が終了する事を退職といいます。
意思表示から14日で効力が生じますので、就業規則を作成する際は手続きについても規定しておきましょう。
解雇は会社からの一方的に契約を終了する事です。
労働者に大きな影響が出る事から簡単には解雇する事は難しく、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められな
い場合は、労働者を解雇することはできません。
また、その他の法律にも定めがあります。
〈労働基準法〉
・ 業務上災害のため療養中の期間とその後の 30 日間の解雇
・ 産前産後の休業期間とその後の 30 日間の解雇
・ 労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇
〈労働組合法〉
・ 労働組合の組合員であること等を理由とする解雇
〈男女雇用機会均等法〉
・ 労働者の性別を理由とする解雇
・ 女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことを理由とする解雇
〈育児・介護休業法〉
・ 労働者が育児・介護休業等を申し出たこと、または育児・介護休業等をしたことを理由とする解雇
契約期間のある契約をする場合は、原則3年以内と定められております。
期間が満了する事によって、双方から意思表示が無くても労働契約は当然に終了します。
ただし、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人については、契約を更新しない場合、使用者は 30 日前までに予告をしなければなりません。
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日々雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない
労働基準法第107条
記載項目は次の様になります。
保存期間は5年となっておりますが、当分の間は3年となっています。
使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない
労働基準法第108条
記載項目は次の様になります。
保存期間は労働者名簿と同様に、当分の間3年となっています。
記載項目としては次の事が例示されています。
今回駆け足で説明致しましたが、出来ている部分や出来ていない部分が有ろうかと思います。
少しでも不安な部分がある場合にはぜひ、飛騨屋社労士事務所にご連絡下さい。
ご相談にお答えさせて頂きます。